私の「音(こえ)」があなたのもとに届きますように・・
If Music be source of Love・・
VOL3

今井みろり 作
Copyright Mayuko Iguchi Published by K.Kobayash
仮想インタビュー <座談会>
〜ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトを囲んで〜
ここは、京都・祇園のとある料亭。窓からは祇園の中心を流れる小川にそって立ち並ぶ桜並木が、一望することができます。今日の桜は、見事なまでの満開です。
今日のゲストは、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトさん(以下ボルフィー)、宮廷音楽家のサリエリさん(サリ)、ボルフガングさんの元ご夫人であるコンスタンツェさん(夫人)、お父様レオポルドさん(レオ)、お姉様ナンネルさん(ナン)、座談会の書記を務めるのは、ヴォルフガングさんの協奏曲のカデンツを作曲したフェルスターさん(フェル)、そして聞き手はいぐまゆ(ig)です。
(ig)みなさまこんにちは。今日は宜しくお願い致します
(サリ、レオ、ナン、夫人、フェル)こんにちは。
(ig)あれれ??今日の主役、ヴォルフガングさんの姿が見えませんが・・コンスタンツェさん、ご一緒じゃなかったんですか?
(夫人)私は再婚しましたから・・・きっと彼も久しぶりにこの世に降りてきたので、今どきの女の子を口説いてるのでしょう。
(レオ)まったく、呆れた息子だ・・皆様、申し訳ありません。
(サリ)いやぁそれにしても、素晴らしいサクラ、そして料理ですね!
(ig)サリエリさんのお好きなお団子もあとから出てきますよ。
(ナンネル ー窓から指を指してー)舞妓さんといちゃついてるの、あれ、ボルフィーだ!
(夫人)ほらね!やっぱりー。
(サリ)いい女性ですねぇ・・
(レオ)感心してる場合じゃありません!こらーっ、ボルフィー!帰って来いー!!
ーヴォルフガング、気がついてあわてていますー
(ボルフィー)みっなさぁん、遅くなりましたぁ、メンゴ。
(一同)・・・・・・・・。
(ig)・・。お変わりなく逆さ言葉がお好きですね、ヴォルフガングさん。さぁみなさんおそろいになったので、座談会を始めましょう!今日はヴォルフガングさん作曲のピアノ協奏曲第20番についてお話を伺います。
(ボルフィー)あ、ちょっと待って。その前にフェルスターくんに言いたいことがあるんだ。
(フェル)な、な、なんでしょう?
(ボルフィー)君が書いたこの20番のカデンツだけど、ちょっと同音形が長く続きすぎるね。しかも、ユニゾンだ。
(フェル)あ・・・ス、スイマセン!
(ボルフィー)でも途中に出てくる主題は、ピアノが自由にうたえてオイシイところだね。・・・・あの素敵な場所に入ったとき、一瞬とてもいい香りが漂ってくるようだよ・・・でもね、
(夫人)文句言うなら、ボルフィー、あんたが書き遺せばよかったのに!
(ボルフィー)僕の頭の中にはちゃぁんと残ってるよ。でもカデンツというのは、そのピアニストの性格やテクニック、音楽性が最もわかりやすく出てしまうところだと思うんだ。だから奏者に任せてみようかと思ったんだけど。
(レオ)ボルフィーが予約演奏会で弾いたカデンツは本当に素晴らしかった!我が息子ながら誇りに思ったひと時だったよ。
(ナン)でも、現代のピアニストは演奏することに専念してばかりで、作曲はしない人がほとんどじゃない?
(ボルフィー)作曲できなくても、カデンツは「こんな風に自分の得意技をみせたい」とか、人に自慢できる音楽性を大きく表現する場所であることには違いないよ。だから僕の曲を弾いてくれる演奏家には、その人独特の性格や音楽性を存分に表現して欲しい
(ig)2楽章の途中に、とてもシンプルな形のフレーズやテーマがありますよね。あんまりシンプル過ぎるので即興的な装飾を自由に入れたくなってしまうのですが、これは意図的なのでしょうか?
(ボルフィー)もちろん!でも僕の曲に隠されているクイズや謎がきちんと解き明かせていなければ、意味の無い装飾になってしまうよ。君がどんな装飾をするのか、楽しみだねー。
(ig)な、なんと!大きなプレッシャーですねぇ・・・
(ナン)いいのよいいのよ。好きに弾けば。
(レオ)自由に弾く、という中には演奏者自身の中に一つのルールやこだわりがあって初めて成立することだよね。
―夢中になって団子を食べ続けるサリエリー
(夫人)ちょっと、サリエリさんもなんかいったら?!
(サリ)なんかって言ったって・・・・どんなに演奏家自身が誇れるようなカデンツを弾いたとしても、誰もモーツァルトくんの才能にはかなわないよ。
(ボルフィー)ありがとう!僕の才能を、あなたはいつも理解してくれるね。
(サリ)当然だよ。今じゃ、わたしがモーツァルトくんを殺したっていう噂が一般化しているけど、僕は一番の良き理解者であり、熱烈なモーツァルトファンの一人だよ。
(ig)あなたが殺したんじゃないのですか?
(夫人)私は絶対、ボルフィーが飲んでいた薬が良くなかったと思うんだけどなぁ。
(ボルフィー)ああ、ゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン男爵にもらった梅毒の薬かぁ。
(夫人)!!!!ボ、ボルフィー?
(ナン)そりゃぁ、あんた、あんだけ遊んでれば・・ねぇ。
(ボルフィー)たははは。しかも僕を病気にした女は、ベートーヴェンにもうつしたらしいよ。きゃははは。
(夫人)笑いごとじゃないわよ!てことは、私も・・?
(レオ)おおお、女は・・恐ろしい
(サリ)ベートーヴェンくんかぁ、懐かしいですな。
(ig)確か、サリエリさんのお弟子さんだったとか・・・あなたは本当に素晴らしい音楽家をたくさん輩出しておられますよね。
(サリ)まったく嬉しいことだ!シューベルトやチェルニー、リスト、フンメル・・・ああ、神に感謝しなければ!!
(ig)ヴォルフガングさん、この第20番のピアノ協奏曲が作曲された1784年、フリーメーソンに入会されましたね。
(ボルフィー)うん。真の愛と自由を求めて!パパも入ったよね、一緒に。
(レオ)あ、ああ。このことは本来普通の人間なら誰でもが欲する気持ちだよね。
(サリ)しかし、私たちのような官僚には、それは難しかった。与えられた枠のなかでしか自由は存在しなかったんだ。
この協奏曲直後に発表された君の「フィガロの結婚」は、本当に素晴らしいオペラだったよ。
(夫人)でもあなたは、みんなと一緒になって真っ向から攻め立てたじゃない!
(サリ)だからー!イタリア人官僚として、私はそうするしかなかったんだ・・・許してくれ。
(ナン)今の音楽家たちはほんとうに幸せよね。当時ほどそんな政治的な縛りなど関係なく、音楽が許される世の中だもの。
(レオ)でも当時はいろいろな規制があったからこそ、本当に音楽の中に自由や夢や憧れを求めて探求できたんだよ。今の世の中は全てのものが当たり前のように溢れすぎていて、自由と夢を絶対に手に入れたいという欲求が弱すぎる気がするよ。
(ig)というより、欲求する方向が、「自由」や「夢」ではない気がします。逆に誰かに操られたい「規制願望」だったり、夢をつかむためにイバラの道を行くより、楽な「安定」を求めているのではないでしょうか。
(ボルフィー)僕が君たちを操ってあ・げ・る。きゃははは
(ig)でも最近は、そこから抜け出さなくてはならないと考える若者が増えてきたことも事実だと思います。
(レオ)それは良い傾向だ!これからの音楽事情が面白くなってきそうだね。見守ることにしよう。
(夫人)ところで、自由な音楽とか夢だとか言ってるけれど、お金になるの?
(ig)正直なところ最初は・・・・難しいでしょうね。でも、さっきレオポルドさんがおっしゃったように、なにかに打ち込み、探求し続ける事は絶対に失ってはならないと思います。そう思い続ける力をもたらせてくれるのは、お金ではなく、自分の才能を存分に生かせる「生きがい」だと思うので・・・。
(サリ)生きようとする力が、さらに生きる力を生んでいる・・・
(ボルフィー)もう真面目な話はいいじゃん。僕、舞妓さんと遊びたい。
(サリ)わたしも参加したい。一緒にいきますか。
(ig)あ、あの、ちょっと・・・
―サリエリとヴォルフガングは、二人で肩を組んで外に飛び出してしまいましたー
(ナン)コンスタンツェ、あなたがしっかりしないからいけないのよ!
(夫人)なんで私のせいなのよ!あんなだらしのない人間を育てたのは、お父さんじゃない!
(レオ)な、なに!?宿屋の小娘に言われたくないね。そんな君だって、浮気していたじゃないか!
(ig)まぁまぁ・・久しぶりの再会なんですから・・
(レオ)君は黙ってなさい!
お酒がまわってきて、収拾つかなくなってきてしまいました・・みなさん、久々の再会でもう盛り上がりたいだけのご様子なので、座談会は自然消滅的に、打ち切りとさせて頂きます。ご了承下さい。
byいぐまゆ (おわり)
真由子 4歳〜10歳 in
札幌市内の某H大学敷地内にある並木道
4歳のとき、ホテルに勤務する父の転勤で、
第二の故郷でもある
Concert Schedule
<2004年4月〜6月 公演情報>
4月17日(土) 19時開演 <協奏曲 出演>
山形交響楽団(指揮 広上淳一) 定期演奏会
山形・
A 4,000円、B 3,500円、学生2,000円、ペア券5,000円(当日券は全て300円増)
ブラームス 悲劇的序曲/モーツァルト ピアノ協奏曲第20番 ニ短調/ベートーヴェン 交響曲第2番
(問)山形交響楽団事務局 023−625−2203
5月2日(日) 18時30分〜、19時30分〜<子供の日の音楽会>
ラ・メユールブラストリオ 音楽芝居
東京・
入場料1,500円 (中学生以下は無料、ワンドリンク付 要予約)
メユール的ディズニーワールドツアー2004 ほか
(問)シュトゥーベン・オータマ 042−551−1325
6月13日(日) 14時開演 <クレオサキソフォンクインテット 単独リサイタル>
大阪・梅田 ドルチェ楽器サロン
私が愛したロイドウェーバー/天使にラヴソングを 2 ほか
(問)ドルチェ楽器 06−6377−1117
6月18日(金) 19時開演 <ソロリサイタル>
東京・代々木上原 ハクジュホール
全席指定 5,000円
キース・ジャレット ケルン・コンサート/ブラームス 間奏曲/ダウランド 涙のパヴァーヌ ほか
(問)せきれい社 03−5414−5914
<ディスコグラフィー>
マイスターミュージックより
<ソロアルバム>
「ポエジー」〜加古隆&久石譲 ピアノ作品集〜
<with アレクセイ・トカレフ(トランペット)>
「ロシアン・トランペット」〜ロシア小品集〜
「アルチュニアン・トランペット協奏曲」〜トランペット協奏曲集〜
<オムニバスCD>
with アレクセイ・トカレフ(トランペット)
「Air ・・J S BACH・・」〜G線上のアリア集〜
「Waves」〜ヒーリングクラシックス〜 インド人の歌(リムスキー=コルサコフ)
<記事>
「音楽の友」 4月号(3月18日 発売分)
「ムジカノーヴァ」 5月号(4月25日 発売分)
このイグマユページは、フリーペーパー(無料会報誌)として作られたものをTHMLに変換してUPしています。誌面もご購読されたいという方は、info@igumayu.com までお名前、ご住所、お電話番号をご記入の上メール送信してください。
公演などお問い合わせ・アンケートの送付先、チケット購入などは(株)せきれい社 へ。
〒106-0031
03−5414−5914(tel) 03−5414−5913(fax) igumayu@hotmail.com
(担当 大西陽子)
・・・・編集後記・・・・・
ずいぶんながらくお待たせしました。やっと第3号発行です。
この春休みは充電の時期とはいえ、少々辛かった・・・。
この原稿を書くのが一種の息抜きになっていました、ハイ。
これからもどうぞ宜しくお願い申しあげます。
Special Thanks To・・・
Mr.Y.KAWAGUCHI & Ms.Y.OHNISHI<SEQUIREY.s.a>
Mr.T.YOKOI <CUBET co.>
Mr.K.KOBAYASHI<OHTAMA HAM co.>